
金融委員会がESG(サステナビリティ)開示の制度化に向けた最終案を関係機関との協議を経て示すと2026年7月6日に明らかにした。市場で取り沙汰されている適用対象と開始時期は確定した内容ではないとの説明も併せて出た。金融委員会が示した検討基準は、国際的な整合性、企業の受容可能性、情報の有用性である。
この説明は、2026年7月5日付のある日刊紙の報道に対する反論の性格で出された。この報道は、政府が資産10兆ウォン以上のコスピ上場企業100社あまりに、炭素排出量と削減目標はもとより、気候変動が売上・生産施設・サプライチェーンに及ぼす影響まで事業報告書への記載を義務づける方向で進めているという内容だった。
基準線は2026年2月の公開草案である。草案は、連結資産総額30兆ウォン以上のコスピ上場企業に2028年から、10兆ウォン以上に2029年から開示義務を順次課す内容を盛り込んだ。協力会社と製品の使用段階まで含むスコープ3は3年猶予し2031年に先送りした。草案は、法定開示をただちに導入することに代えて、一定期間は韓国取引所の開示として運用したうえで事業報告書への記載に切り替える経路を示し、第三者認証も初期は自主性に委ねたうえで段階的に義務化する方式で設計された。
2026年7月7日の報道には、草案より対象を広げた案が議論されているという内容も含まれた。2028年に連結資産10兆ウォン以上のコスピ上場企業約107社から始め、2029年に5兆ウォン以上、2030年に2兆ウォン以上へ拡大するという構図だ。草案と比べると、10兆ウォンの区分の適用時期が1年前倒しになる形。金融委員会はこうした内容を確認していない。
同じ日に経済6団体は、段階的な導入と最終案の再検討を求める共同声明を出した。法定開示の即時施行に代えて取引所の自主開示を一定期間運用したうえで移行すること、スコープ3は除外するか長期にわたり猶予すること、第三者認証には十分な準備期間と詳細基準を設けることを求めた。
外の流れは反対側だ。EUの欧州委員会は2026年7月3日、簡素化した欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)を委任立法として採択した。重要性評価の手続きを簡素にし、義務開示項目を減らしたほか、バリューチェーン情報の要求範囲も狭めた。

営業上の機微な情報は一部の省略を認めた。欧州委員会は、この調整により2027年から2031年までの5年間で企業の費用が47億ユーロ(約8兆2390億ウォン)減ると試算した。
簡素化基準は、欧州議会とEU理事会による2か月の審査手続きを残している。このまま通過すれば、対象企業は2027会計年度から改正基準の適用を受ける。
国内の検討案が土台とする国際基準はIFRS財団傘下のISSB基準であり、そこに国内の産業事情を反映した国内基準が重ねられる。国際的な整合性を前面に出せば欧州の緩和の流れが根拠として引かれ、情報の有用性を前面に出せば対象拡大の論理が力を得る。
金融委員会が併せて検討している仕組みもある。ESG開示は予測と推定を含まざるをえない情報だという特性を踏まえ、開示の責任性を損なわない範囲でセーフハーバー(Safe harbor)制度の導入が検討されている。第三者認証の方は事情が異なる。認証の水準と範囲、監督体系をどう合わせるかについての国際的な標準化の議論が進行中の段階であることから、金融委員会は国内の認証市場の成熟度と海外の議論を併せて見ながら義務化の時期を決めるとの立場を示した。
最終案で確認すべき項目は、初回の適用対象となる資産の基準線、スコープ3の猶予期間、認証義務化の開始時期である。発表は関係機関との協議が終わった後に予定されている。対象企業の準備日程は、その時に定まる基準線によって分かれる。
