
日程表の空欄は、何の費用も課さないように見える。決定を下さなければ、予算も人員も、システムの発注も決まらない。だから空欄は節約のように読める。実際にはその逆に近い。
アジアの主要国は、気候関連の開示をいつ、どの企業から義務として適用するのか、その時期を明記する方向に動いている。韓国はロードマップの確定を後回しにした状態だ。そして同じ週に、カリフォルニア州の開示規則が違憲かどうかを争う審理の場に上がった。三つの事実が一度に重なり、「もう少し様子を見よう」という言葉の説得力が増した。
規範をめぐる混乱を待つための口実に変えた瞬間、韓国企業が結局払うことになる準備費用は消えず、後ろにずれながら図体を大きくする。
最も強い反対の論理は埋没費用だ。国際的に基準が揺れているのに急いで体系を立てれば、結論が変わったときに費やした金がそのまま捨てられるというものだ。規制対応の予算を握る側からすれば、十分に検討する価値のある損得である。

しかし、いま争われている論点と、企業が備えるべきものの性格は層が違う。訴訟や制度の議論で問題になっているのは、何をどこまで公開させることができるのかに近い。排出量をどの境界で集計し、その集計値を会計資料のように検証に耐えるものにする作業は、どの結論のもとでも廃棄されない。埋没するのは報告書の書式であり、データは残る。
より重要なのは、時間でしか買えない項目があるという点だ。取引先まで下りていく排出データ、内部統制の手続き、検証に必要な記録の連続性は、予算を増やしたところで数か月に圧縮されない。施行時期が確定してから着手すれば、確保すべきものは過ぎた時点の集計値なのに、手元にあるのは未来の時間だけだ。そのときの対応はいつもより高くつく。
先送りを選ぶこともできる。その選択が正当になるには条件が要る。施行時期と実際の準備に必要な期間との間隔をどれだけに取るのか、その間隔が企業規模によってどう変わるのかが、あわせて示されなければならない。その設計なしに先送りすれば、猶予にはならず負担だけが移っていく。
今後確認すべき点は、ロードマップを発表するかどうかそのものではない。発表文に施行時期と準備期間がともに記されているか、その二つの距離が、サプライチェーンのデータを一から積み上げた経験のない企業に耐えられるものかだ。空欄はいつか埋まる。問題は、その欄が埋まる日に企業に残っている時間の長さだ。
