
鉄鋼、アルミニウム、肥料、セメント、水素、電力。2026年に欧州連合の炭素国境調整メカニズム(CBAM)の対象となる六つの品目だ。この一覧に名を連ねた韓国の輸出企業は、今年からCBAMの排出量算定方法に従って製品の炭素排出量を算定し、検証を受けてEUの輸入業者に提出しなければならない。
政府は2026年3月30日に本格実施期間の実務マニュアルを発刊し、同日から4月26日まで企業相談支援の参加企業を募集する。制度の入り口に立つ企業がさしあたり頼れるのは、実務マニュアルと現場相談だ。
CBAMは一朝一夕に登場した制度ではない。移行期間は2023年10月から2025年12月までで、本格実施期間は2026年1月から施行されるものとみられる。二つの時期の決定的な違いは義務の重さだ。移行期間に企業がすべきことは、温室効果ガスの排出量を報告するところまでだった。
本格実施期間が始まることで、ここに2027年からCBAM証書の購入義務が加わる。ところがこの義務を実際に負う主体をめぐっては、政府の資料の中でも表現が分かれる。韓国の輸出企業の対応負担として記したところがあるかと思えば、EUの輸入業者が排出量に相応する負担を負うと書いたところもある。いずれにせよ、排出量を正確に算定して渡さなければならないのは韓国の企業だという点は変わらない。
今回出た「欧州連合炭素国境調整メカニズム本格実施期間実務マニュアル - 固有内在排出量の算定とCBAM証書数量の算定」は、その算定実務に照準を合わせる。2025年12月に採択されたEUの施行規則による制度の変更事項を反映し、本格実施期間の主な変更事項の解説とともに、加工鉄鋼のサプライチェーンの算定事例を収録した。事例を入れた点が目を引く。
排出量の算定で実務者が最もよく行き詰まるのは、規定の文章そのものよりも、その文章を自社の工程にどう当てはめるかだからだ。マニュアルは産業通商部、気候エネルギー環境部、中小ベンチャー企業部、関税庁など関係省庁と韓国生産技術研究院が共同で進めた。
文書だけでは埋まらない空白がある。気候エネルギー環境部は、排出量の算定・報告などCBAM履行の全過程を、企業の現場訪問と1対1の相談方式で支援する。「2026年EU CBAM対応企業相談支援」の参加企業の募集期間は3月30日から4月26日までで、受け付けと問い合わせはEU CBAMヘルプデスク(1551-3213、内線1)で受ける。

募集目標の企業数と選定基準、事業予算の規模、遂行機関は公開された資料では確認できなかった。マニュアルの発刊と相談支援が一つのパッケージとして企画されたものかどうかも同じだ。
この制度を欧州の貿易障壁としてのみ読めば、対応は常に遅れる。排出量を算定するということは、自社の工程のどこでエネルギーが漏れているのかを初めて計量して見つめるという意味でもある。算定能力を備えた企業は、規制に対応しながら削減の余地まで見つける。
逆に算定体系を備えられなかった企業は、実際の排出が少なくても不利な既定値を甘受しなければならない可能性がある。準備の格差はそのまま費用の格差につながる。
視野は6品目で止まらない。2028年からは鉄鋼・アルミニウムのダウンストリーム品目、すなわち産業用機械や車両、家電製品などへ対象が拡大される予定だ。今はCBAMと無関係だと考えている中堅・中小の製造企業のかなりの数が、2年後には同じ書類を求められるようになるという意味だ。今日算定体系を整えた企業とそうでない企業の出発線は、その時には大きく開いているだろう。
だから今日できることは意外に単純だ。自社がEUへ送り出す製品が6品目の中にあるのか、あるいは2028年の拡大対象にかかるのかを、品目基準で一度確認してみることだ。該当するなら、4月26日より前にヘルプデスク(1551-3213、内線1)へ相談申請の可否を問い合わせればよい。
制度は施行に入ったが、準備を始めるのに遅い時点ではない。まだ答えが出ていない部分がある。この支援が初年の一回限りの処方で終わるのか、それともダウンストリームへの拡大まで続く常設の体系として残るのか
