
鉄鋼産業の競争力強化および炭素中立転換のための特別法、いわゆるK-スチール法が6月17日に施行される。2025年11月に国会本会議を通過したこの法は、炭素中立転換基本計画の策定と低炭素鉄鋼技術の支援、ダンピング対応および輸入規制の強化を軸とする。鉄鋼だけを対象とした支援立法は、1986年に鉄加工業育成法がなくなって以来およそ40年ぶりだ。産業通商資源部は2026年4月に施行令制定案を予告し、5月11日付で意見の受け付けを締め切った。
法に盛り込まれた特例は企業活動の側に偏っている。低炭素認証制の導入、低炭素鉄鋼特区の新設、企業結合の事前審査期間の短縮、公正取引法上の共同行為の例外と情報共有の許可が条項として入った。一方、業界が求めてきた産業用電気料金の引き下げと政府主導の事業再編策は施行令に反映されなかった。文信鶴(ムン・シンハク)産業通商部次官は国会の議論の過程で、電気料金の支援がWTO規定上の提訴対象になり得るうえ、他業種との公平性の問題も伴うと説明した。
法が狙った通商環境はこの1年で大きく揺れた。米国は2025年、鉄鋼品目に50%の関税を課したが、2026年1-4月の対米鉄鋼輸出量は146万トンで、前年同期より52.0%増えた。品目別に見ると、鋼板類が14.8%、線材・棒鋼・鉄筋類が1345%増加した。関税を課しても物量が減らなかった流れをめぐり、通商当局と業界の解釈は分かれ得る。
中国の変数も併せて動いた。中国工業情報化部は2026年5月、生産設備を入れ替える際に生産能力を最低3分の1減らすようにする改正案を出した。世界鉄鋼協会の集計で、2026年1-4月の中国の粗鋼生産量は前年同期比4.1%減少した。減産が続く場合、供給過剰の圧力は和らぎ得るが、減少分の絶対規模と持続期間によって国内価格への影響は変わる。
こうした中、全国金属労働組合の鉄鋼業種分科委員会は1日午前、青瓦台の噴水台で対政府要求を掲げて記者会見を開いた。現代製鉄の正規職・子会社・非正規職支会と、ポスコの正規職・社内下請け非正規職支会、現代総合特殊鋼支会、現代BNGスチール支会が共に参加した。施行日まで2週間を残した時点で開かれた会見だ。
要求の項目は大きく三つに分かれる。第一は参加権で、鉄鋼産業基本計画と年間実行計画を策定・評価する過程に労働組合が入り、大統領直属または政府傘下の鉄鋼関連委員会に労組・地域の代表の参加を義務化し、政府の支援基準と評価結果を公開せよという内容だ。第二は支援の条件で、設備調整と事業再編を支援する際に雇用維持・総雇用保障・整理解雇の禁止を前提として掲げ、人員削減や減産、工程転換の計画を承認する前に雇用影響評価を経よという要求だ。税制・財政の恩恵を受ける企業が労組とあらかじめ協議し、雇用安定計画を提出するようにする案もここに含まれた。
第三は技術支援体系そのものに労働を入れようという要求だ。低炭素鉄鋼技術の支援と認証、事後管理の段階で労働安全と熟練の維持、転換配置を併せて扱えというものだ。労組は現代製鉄の浦項工場に続き仁川工場でも人員削減が進行中だと主張した。会社側の説明は別途出ていない。
水素還元製鉄と電気炉の高度化のような低炭素転換技術に政府支援の根拠を設けたことは、K-スチール法の成果に挙げられる。李在明(イ・ジェミョン)大統領も大統領選候補の時期に、浦項の水素・鉄鋼・新素材特化地区の造成と水素還元製鉄の商用化支援、高付加価値鉄鋼製品への投資拡大を公約した。設備が変われば必要な技術と人員配置も変わるが、その費用を企業と政府、労働者がどのような比率で分けるのかは、法と施行令のどちらからもはっきりとは読み取れない。
次の確認の時点は6月17日だ。施行令の最終条文が効力を持つ日であり、労組が求めた雇用関連の仕組みが実際に盛り込まれたのかを条文単位で照らし合わせられる日だ。低炭素鉄鋼特区の指定と最初の基本計画の策定手続きが続いて始まれば、支援要件を定める過程で同じ論点が再び持ち上がる余地がある。
