
2026年9月4日午前、ソウル市江南区三成洞で気候エネルギー環境部と産業界が向き合った。机に上がった議題は排出権取引制、電力購買契約(PPA)、低炭素鉄鋼製品の購買活性化だ。企業の脱炭素グリーン転換を早め、現場で引っかかるものを解きほぐそうという趣旨で設けられた懇談会だった。
政府が明らかにした目的は、規制と隘路事項を発掘して制度改善につなげることだった。気候、エネルギー、環境の三分野がすべて対象に入った。オ・イルヨン気候エネルギー政策室長は、企業の脱炭素グリーン転換が新しい競争力の基準になっていると述べた。
排出権取引制は排出にかかる費用を扱い、PPAは再生可能エネルギーをいくらでどう引いてくるかを扱う。低炭素鉄鋼製品の購買活性化は、造られた製品を誰が代金を払って買っていくかの問題だ。
この三つ目の議題が机に上がったこと自体が、議論の性格を変える。
鉄鋼の脱炭素転換を語るとき、長らく焦点は生産技術にあった。水素還元製鉄であれ電気炉の拡大であれ、どう造るかが議論の中心だった。9月4日の議論では、生産技術の確保だけでは足りず、低炭素鉄鋼製品の実購買需要がともに大きくならなければならないという認識が示された。技術が整っても、その製品を上乗せ価格で買う先がなければ転換は止まる。
費用の側の事情も議論の背景として言及された。鉄鋼はエネルギーを多く使う業種であるため、炭素排出にかかる費用と再生可能エネルギーを使える条件が、低炭素生産体制へ移るうえで大きな費用要素として働くというもの。排出権取引制とPPAはこうした理由で同じ机に上がった。こうした説明は議論の背景として言及された水準にとどまり、費用の規模や電力単価のような数値はこの日示されなかった。
制度の側では十日余り前に動きがあった。8月26日に国会で炭素中立基本法改正案が可決され、改正案には「グリーン金融」と「移行金融」の定義規定が盛り込まれた。グリーン国債に関する内容も含まれた。
定義規定が法に入ったということは、どの資金が移行金融に当たるのかを政府が法律の水準で分け始めたという意味だ。公布・施行日とグリーン国債の発行根拠の形態、規模は、今後の施行手続きで確認すべき部分として残っている。
政府は企業の脱炭素投資を後押しするという方針を明らかにしたが、支援手段と予算規模はこの日具体的に示されなかった。
低炭素鉄鋼の需要を実際に伸ばすには、いくつかのことが決まらなければならない。どの製品を低炭素と認めるかを分ける基準と認証体系、公共調達でその製品をどれだけ使うか、民間の購買者にどのような誘引を与えるかといったものだ。9月4日の議論は、需要拡大が必要だという認識を確認するところまで進んだ。その認識が政策手段へ移っていく過程は、政府がこの日発掘した規制・隘路の課題が制度改善として処理される日程にかかっている。
炭素中立基本法改正案の施行時点と、グリーン国債の条項が実際の発行につながる形を確認しなければならない。この日やり取りされた排出権取引制とPPA関連の要求のうち何件が、いつまでに制度改善課題として整理されて出てくるのかも残っている。
