
空から見下ろした川が大きく二度、身をよじる。青緑色の水が左から入り込んで丸い半島を包み、右端で再び大きな円を描いて回り出ていく。水路が包んだ内側には濃い緑の木々が固まっており、その縁を黄ばんだヨシと若緑色の茂みが縁取りのように囲んでいる。影が短いことから、日が高く昇った真昼だ。
水がまっすぐ流れられずに曲がりくねるとき、流れは遅くなる。遅くなった水は土と種と葉を置いていき、そうして積もった土地にヨシが立ち、ヤナギが根を下ろす。写真の中の緑の塊は、川が急がなかった時間の厚みだ。
この湿った土地は静かに働く。ヨシ原と水辺の森は雨が集中するときに水を含んで下流の集落の負担を軽くし、土の中に炭素を長くつなぎ留めておく。水中には卵をつける場所ができ、水辺には鳥が身を隠す場所ができる。直線に延びた水路ではめったに起きないことだ。
川をまっすぐに伸ばす作業は速く、湾曲を戻す作業は遅い。それでも水路に余裕を残しておけば、残りは川が自分で満たす。写真の右下、いまだ土色の縁にも幼い緑がすでに広がり始めた。
水の湾曲の内側の森は真昼なのに光がほとんど届かない。木の陰が互いに幾重にも積み重なって黒々と沈んだその内側は、上からは何が住んでいるのかついに見えない暗がりとして残る。湾曲は目につきやすい緑だけをつくり出したのではない。隠してくれる陰まで一緒に育てておき、鳥と魚が身を寄せる場所はたいていそうした暗い側だ。
もう一度写真を見る。水が回り出ていったところごとに何が育っているのか、その緑がどこから始まったのか。
編集部 · Breath.Culture
