
扶余郡が「2026国家遺産夜行」のポスターを公開した。テーマは百済の記録文化の象徴である木簡、舞台は日が暮れた後の泗沘の古都だ。清州とともに4月から続く今年の夜行シーズンの最初の行事として予告された。
木簡は紙が貴重だった時代に文字を書きつけておいた細長い木片だ。湿った土の中で千年を耐えた後に発掘されると表面は濡れた褐色を帯び、木目に沿って墨の線がかすかににじんでいる。手に取ると軽く、乾きながら少しずつ反っていく。
そこに書かれた文は王の文章ではなかった。物に下げていた荷札、穀物と人を数えた実務の記録、文字を繰り返し書いてみた練習の跡に近い。百済が残した夜の言葉というより、昼の間まめに動いていた手の記録だ。
扶余は538年に泗沘へ都を移した百済の最後の王都だった。今の町なかはその王都の地層の上にそのまま載っていて、路地を歩くことがそのまま遺跡の上を歩くことになる。夜行が展示を見て回るのに代えて歩く形式を選んだ理由もここにある。
夜に遺産を開く企画には引き受けなければならないことが伴う。木と墨でできた記録物は光と湿気に弱く、照度と温湿度を管理する空間を離れにくい。祭りが人を呼び集めるほど遺跡の地面はより多くの足を受け止める。開いて見せることと守っておくことの間の緊張をあいまいにしない運営が夜行の実力になる。
同時に夜行は地域が自らを紹介する夜でもある。普段は日が暮れると静かになっていた通りに灯りがともり、商店と住民がともに客を迎える。遺産が剥製にされた展示物から生活の背景へ戻ってくる時間だ。
詳しい日程とプログラムの構成は出ていない。ポスターだけが配布された段階なので、4月に合わせて扶余を訪ねようとする人は郡の案内を確認してから日程を組むのがよい。春の夜の扶余は昼より涼しいので上着を一枚用意するとよい。
行事情報
日時: 2026年4月中(詳しい日程は公開前)
場所: 忠南扶余一帯
主催: 扶余郡
