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『これほど意外な脳科学』、予測する脳を読み直す

배진경·公開 2026-04-07 19:32 KST
AIを脳になぞらえる前に、脳が実際にしていることから確かめる本
『これほど意外な脳科学』を読む明け方の机
『これほど意外な脳科学』を読む明け方の机 / 写真 Marlen077 · CC0

人工知能を説明するとき、最もよく持ち出される比喩は脳だ。ニューラルネットワークという名称からしてそうであり、学習・記憶・注意といった用語も脳から借りてきた。ところが、借りてきた側の原本を私たちはどれだけ知っているだろうか。リサ・フェルドマンの『これほど意外な脳科学』(ザ・クエスト、2021)は、その原本をもう一度開いて見させる本だ。

脳を扱う教養書だ。章の呼吸が短く、通勤の途中で一編ずつ区切って読むのに適している。専門用語を前面に出すよりも、日常の感覚から出発して脳の働きをたどり直す。

人工ニューラルネットワークは、脳の神経細胞の結合を数学的にまねた計算モデルだ。ところが、名前が同じだという理由で、二つの対象が同じ原理で動くという印象が広まっている。本書はその印象を正面から揺さぶる。脳は情報を受け取って処理する装置である前に、体を生かしておくためにエネルギーを配分する器官だという観点が、本全体を貫く。

この観点は、いまの人工知能をめぐる論争にそのままつながる。大規模モデルを動かす電力が気候技術の議題に上がった状況で、限られた予算の中で働く器官をのぞき込むことは工学的にも示唆的だ。自動運転が道路上の状況をあらかじめ描いておき、感覚入力でその絵を修正するやり方は、予測を立てておいて誤差を減らしていく脳の働きに似ている。

本の力は圧縮にある。理性と感情が層をなして積み重なっているという見慣れた図式を短い分量の中で取り払い、予測し調整する器官の像を立てる。脳科学の教養書がたいてい分厚いレンガ本であるか、自己啓発の言葉へ滑っていくのと比べると、本書はどちらにも傾かない。

これほど意外な脳科学 · リサ・フェルドマン · ザ・クエスト
これほど意外な脳科学 · リサ・フェルドマン · ザ・クエスト / 表紙 · ザ・クエスト

限界も同じところから出てくる。薄いということは、根拠の層を厚く積み上げていないという意味だ。それぞれの主題がなぜそう整理されるのか、反論は何なのかが気になった読者は、この一冊では満足しにくい。人工知能との接点もまた、読者が自分でつなぎ合わせなければならない部分だ。

勧める相手ははっきりしている。人工知能の記事や発表資料を毎日読みながらも「脳に似ている」という文でしばらく引っかかったことのある人、製品企画や政策文書に脳の比喩を使う前に、その比喩の値打ちを知りたい人だ。脳科学を初めて開く読者にとっても入り口になる。この本の次に何を読むかは、読む前に決めておくほうがよい。

午後三時のいらだちを性格のせいにしていた人が、その時間の空腹と前日の睡眠を振り返ってみるようになる瞬間、本が言おうとしたことはおおむね伝わったという話だ。機械に知能を載せることに没頭している間に、当の自分の体の知能は放っておかれていたという感覚が残る。

「脳に似ている」という文でしばらく引っかかった、その地点に本は読者を連れて行く。そして、眠りと食事の話を持ち出す。

ペ・ジンギョン記者 · Breath.Culture

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