
鉄鋼の脱炭素をめぐる論点が、設備の入れ替えから原料の調達へ移りつつある。国内で低炭素工程の設備を新たに整える代わりに、いわゆる「グリーンアイアン」を輸入する場合、韓国は4兆ウォンを削減できるとの主張が出た。誰が算出したのか、何と比べた値なのか、どの期間を取ったのかは明らかにされていない。それでも、減縮の経路をめぐって続いていた議論が、技術の選択からコストの問題へ移ったことははっきりしている。
鉄鋼は国内の温室効果ガス排出の約15%を占めるとされる。排出が集中する地点は、国内生産の中心工程である高炉だ。鉄鉱石から酸素を取り除く還元の過程に石炭を加工したコークスを使うため、工程そのものが二酸化炭素を大量に生み出す。燃料を変える水準の改善では排出を大きく減らしにくい理由がここにある。
代案として挙げられる電気炉は還元の段階を飛ばす。鉄スクラップを電気の熱で溶かして溶鋼をつくる方式のため、従来の工程に比べ排出量が約70%少ないとされている。この数値は測定の範囲や電力排出係数を反映するかどうかによって変わりうるので、算出の条件とあわせて見る必要がある。
規模を当てはめると転換の大きさが見えてくる。電気炉1基の生産能力は年間200万-300万トンの水準で、国内の粗鋼生産規模は約6500万トンと集計される。単純な割り算だけでも20基前後が必要だという計算になる。用地、電力供給、スクラップの確保をすべて考えると、この計算は最小値に近い。
もう一つの経路である水素還元製鉄は、商用化の初期段階にとどまっている。商用設備が立ち上がるまでに残された期間が長いということであり、その間に排出規制が先に到着する。欧州連合の炭素国境調整措置(CBAM)は2026年から本格施行された。輸出の比重が大きい国内の鉄鋼にとっては、減縮をどれだけ早く成し遂げるかがそのまま通商の条件になる。

制度の整備も進んでいる。「鉄鋼産業の競争力強化および炭素中立転換のための特別法」、いわゆるK-スチール法は2025年12月に制定され、2026年6月の施行を控えている。施行までは2カ月あまりが残っており、実際の支援がどのような方式で執行されるかは下位規定が出てから判明する。
コスト側の変数も動く。政府は2026年3月に産業用の季節別・時間帯別電気料金体系の改編案を発表し、施行日は2026年4月16日だ。夜間の軽負荷料金がkWh当たり5.1ウォン上がり、昼の時間帯の一部料金は下がる。電気炉は電力を大量に使う設備であるだけに、どの時間帯に操業するかによって負担が増えることも減ることもある。
鉄鋼の脱炭素を扱った公論の場では、転換の目標と基準からまず合意すべきだとの指摘が出た。どの工程を低炭素と認めるか、輸入原料の排出量をどの範囲まで計算に入れるかが定まらなければ、減縮分とコストを同じ物差しで比べることが難しい。4兆ウォンという試算も、比較の対象が何かによって意味が変わる。
さしあたり確認できる日程は二つだ。来る4月16日に電気料金の体系が変わり、6月にはK-スチール法が施行される。この二つの措置が実際の設備計画と原料調達の判断にどう反映されるかが、グリーンアイアン輸入論が計算書にとどまるか実行案へ進むかを分ける。
