
メタが個人用AIエージェント「ミューズ(Muse)」を公開した9月9日、同社の株価は6.6%上がった。通常取引が始まる前のプレマーケットから買いが入り、その理由として指摘されたのもこの発表だった。ミューズは利用者に代わって予約を取り、決済を進める機能を備えた秘書として紹介された。チャット画面で答えを出す道具とは性格が違う。
AIエージェントという言葉は、人が指示した仕事を自ら複数の段階に分けて最後まで처理するプログラムを指す。飲食店を探すところで止まらず、電話をかけて予約を終え、代金を払う段階まで行くという意味だ。
市場が6.6%で反応した対象は機能そのものではないかもしれない。ウォール街では、ミューズの投入をメタの新しい製品サイクルが始まった信号と見る評価が出た。この6.6%がプレマーケットの気配値を基準にしたものか、通常取引の終値を基準にしたものかは、発表時刻と集計時刻が一日のうちでも離れていて一つにまとめにくい。
同じ日、ゴールドマン・サックスのコミュナコピア・カンファレンスの舞台では、セールスフォースがAIエージェントが業務のやり方を組み直すという趣旨の発表を行った。
消費者向け秘書と企業向け業務ツールは使われる場所が違う。両社の間に提携や共通の技術基盤があるという根拠もない。二つの発表は一日のうちに出た。個人が夕食を予約する仕事と、企業が営業パイプラインを管理する仕事が、同じ方式の自動化でくくられ始めた。
決済を代行するという言葉はカードや口座がつながるという言葉であり、どこまで利用者の承認なしに進むのかがサービスの成否を分ける。限度額はいくらか、どの加盟店で使えるのか、誤って決済されたときに取り消す手続きは何か。これらの項目は、メタが地域別の提供仕様を出すときに一緒に明らかになる。
セールスフォースが言った「業務再編」の範囲も同じだ。再編が道具の入れ替えを意味するのか、人がしていた仕事の配置を変えることまで含むのかによって、この発表が及ぶ範囲が変わる。カンファレンスの舞台の文だけではここまで絞り込めない。
秘書を置くということは、いくつかの決定を他人に渡すという意味だ。どの飲食店にするか、何時にするか、いくらまで使うか。ミューズがその決定をどれだけ引き受け、利用者にどれだけ残すのかが、この製品の性格を決める。
