
SKテレコムが16日、AIエージェントに社員番号を付与すると明らかにした。所属と職務、権限を割り当て、入社から退社まで人と似た方式で管理する組織体系の実験だ。ソフトウェアを人事管理の対象として登録するという宣言に近い。社員番号を受け取ったエージェントが何個なのか、どの部署まで適用されるのかは同社が明らかにしなかった。
ここでAIエージェントとは、人が毎回指示しなくても目標を受け取って自ら手順を分け実行するプログラムを指す。複数のエージェントが互いに仕事をやり取りする方式はA2A(Agent-to-Agent)と呼ぶ。
SKテレコムは社員番号の付与に先立ち、「AXサンドボックス」という社内制度をAI CICの一部組織で3カ月間試験運用した。既存の業務を白紙からAIベースで組み直してみる実験だ。同社は、一人が複数のエージェントとともに企画・開発・デザインを同時に担う「マルチロール」方式が可能で、企画にかかる時間が減り意思決定が速くなったと説明した。どれだけ減ったのかを示す数値は同社の説明に含まれなかった。
チョン・ジェホンSKテレコムCEOは今月第2週に京畿道利川のSKMS研究所で開かれた「2026ニュー利川フォーラム」で「AX革新2.0」を提示した。同社は、エージェントがどのデータにアクセスし、どこまでセキュリティ権限を持つのかを規定するガバナンス体系も準備中だ。エイドット・ビズ、ポラリス、プレイグラウンドといった社内AI開発プラットフォームを一つにまとめ、主要な社内システムと連動させるという計画も併せて示された。
17日(現地時間)、米ニューヨークのジャビッツ・コンベンションセンターで開かれた「AWSサミット・ニューヨーク2026」で、AWS首席デベロッパーアドボケイトのダルコ・メサロス氏は、トークン費用が上がってもAIの利用を元に戻すことはなく、業務に合わせてより小さく安いモデルを選ぶ方式が広がっていると述べた。同じイベントで会ったオブザーバビリティ企業オブザーブ関係者の診断は色合いが違った。1年前は「AIならとにかく買う」という雰囲気だったのが、予算に合えば買うという方向に変わったというのだ。オブザーブは今年2月にスノーフレークに買収された。
サミットでは投資リサーチ、ゲーム、新薬開発、ロボティクスなど様々な業種のエージェント適用事例が紹介された。AWSのコーディングツール「キロ(Kiro)」は、要求事項と設計、作業リストを確定した後にコードを作る「スペック基盤開発」方式を使う。設計段階で論理的・数学的な矛盾を点検する神経記号AIを乗せ、モデルがもっともらしい虚偽を作り出す問題を減らそうとした。
18日に開かれた영림원ソフトラボのカンファレンス「EBSC 2026」では別の角度からの指摘が出た。ホ・ウンギ未来価値実現本部長は、手で3時間かかっていた仕事をAIで1時間で終えたなら効率は上がったが生産性が上がったわけではないと述べた。残りの2時間を何で埋めるかを決めておかなければ、節約分は組織のどこにも積み上がらないという意味だ。彼はエージェントが増えるにつれ、画面なしにAPIだけで作動するソフトウェア、いわゆる「ダークソフトウェア」が登場するとも述べた。
エージェント同士が直接対話する段階は思ったほど近くない。メタは2025年3月にフェイスブック・インスタグラムのビジネスページにサービスエージェントを入れたが、このエージェントは自社プラットフォームの利用者とだけ対話する。マイクロソフト・リサーチのエコノミスト、デービッド・ロスチャイルド氏は今後の市場の形として、閉鎖型の「エージェント型の壁に囲まれた庭」と開放型の「エージェントウェブ」の二つの筋道を示し、開放型に向かうには身元確認と責任帰属、セキュリティ、標準化についての制度的な合意が先立たなければならないと述べた。
組織編入は今月始まり、コスト感覚は企業ごとに分かれ、エージェント間の対話は規則がなく止まっている。業務手順を変えないままツールだけを乗せれば、時間だけが減って結果はそのままの状態にとどまるという警告が複数の場で共に出た。
会社員の立場から今すぐ変わるのは、決裁ラインや議事録のような目につく業務ではない。隣の席のプログラムがどのファイルを開くことができ、何を決めることができるのかが規定に書かれれば、職務の境界も引き直される。SKテレコムのガバナンス文書が出たら、組織図より権限表をのぞいてみる価値がある。
