
青い柄の剪定ばさみが細い茎を一本くわえている。葉は厚くつやがあり、初夏の日差しが葉の表面で白く砕ける。右手ははさみを握り、左手は切る枝をそっと押さえている。背景の緑はぼやけてほどけ、ピンクのシャツの袖だけがはっきりしている。
こうした場面を見ていると肩が少し下がる。はさみを握った手のように力が一か所にだけ集まり、残りはほどける。目の焦点も葉一枚の大きさに狭まり、その間に息がひとりでに長くなる。
庭の手入れはすべての枝を扱う仕事ではない。今日切る一本を選ぶ仕事に近い。心が乱れているとき人が失うものも、たいていはその選ぶ感覚だ。
いま手元に鉢植えがあるなら葉を一枚選んで濡れた布で拭いてみよう。表を拭き裏を支えてほこりを押し出すのに三分あれば十分だ。鉢植えがなければ窓辺やコップ一つを同じ手つきで拭いてみてはどうだろうか。
同じ手つきは信号が赤に変わった横断歩道の前でも使える。かばんのひもや袖口を指で一度なで下ろす間に、吸う息と吐く息のどちらが長いか数えておく程度でいい。初夏の日差しがアスファルトから立ちのぼる時間帯なら、日陰のほうへ半歩下がってやってもいい。長さは測る対象であって直すものではないので、短ければ短いままにして青信号を待つことになる。
拭いておいた葉は夕方の光を少し違って受ける。
ペ・ジンギョン記者 · Breath.Social
