
人が指示すれば答えを返すだけだったAIが、今週二つの場で直接業務を処理し始めた。科学技術情報通信部は省庁の業務環境全般をエージェンティックAIで構築する「AI-NEXT」事業に着手し、新韓カードはマスターカードと組んで韓国のカード会社として初めて「AIエージェントペイ」の実取引を成立させた。エージェンティックAIとは、利用者が目標だけを決めれば、その目標を達成する計画を自ら立てて実行に移すソフトウェアを指す。実行権限が渡された分、誤りが生じたときに誰が責任を負うのかを定めた規則が併せて必要になったが、その部分は立法準備が必要だという指摘が出ている段階にとどまっている。
科学技術情報通信部が年内にエージェントを導入するとした業務を見ると、無線局許可審査の支援、電磁波認証審査の支援、予算書の分析、国会要求資料の分類と答弁作成、記事スクラップの要約・分析が含まれている。審査や国会対応のように結果がそのまま外部に影響する業務が一覧に入っている点が目を引く。
予算は今年度分として31億7000万ウォンが配分された。省庁は試験運用の結果を見たうえで2027年以降の高度化予算を組む計画で、2027年にはAI基盤の文書中央化インフラを引き上げ、2028年までにシステムを整える日程を組んでいる。3年間のロードマップにあたり、今年の五つの業務はその最初の試験台に相当する。
動いている省庁は一つではない。財政経済部も「AI-ONEプラットフォーム構築事業」を通じて内部文書を一カ所に集め、業務ごとにエージェントを導入する作業を準備中だ。二つの事業はいずれも「汎政府AI共通基盤」との連携を条件に掲げた。この共通基盤は科学技術情報通信部と行政安全部が共同で推進し、民間のAIモデルと学習データ・GPUを中央政府と地方政府が分け合って使えるようにし、国家情報資源管理院大邱センターの官民協力型クラウドを使うことを前提としている。
公共部門への導入の障害はセキュリティだ。政府の内部ネットワークは外部インターネットと切り離されているため商用AIサービスをそのまま接続するのが難しく、文書を扱うエージェントはそれ自体が内部情報の流出経路になりうる。政府はネットワーク分離環境でAIを動かす方策と情報漏えい防止(DLP)対策を併せて整えている。

民間では決済が先に開かれた。AIエージェントペイはエージェントが商品を探して比べ、決済まで終える方式で、利用者は一度承認すれば残りの過程に手を触れない。韓国のカード会社が実取引を成立させたのは新韓カードが初めてだ。KB国民カードは小規模事業者向けマーケティングソリューションにエージェントを載せ、企業向けデータ事業を広げている。
標準を作る動きも加わった。リナックス財団は今月2日、「x402財団」を正式に発足させた。x402はコインベースが作ったエージェント決済規約で、AIがあるサービスにアクセスするとサーバーが価格を応答し、その額があらかじめ定めた予算の範囲内であればステーブルコインで自動決済が行われる。発足にはグーグル・マイクロソフト・マスターカード・ビザが名を連ね、韓国企業ではカカオペイが唯一の創立メンバーとして加わった。
決済一件ごとに人が確認ボタンを押していた方式がなくなるということは、誤って買った品物や誤って承認された金額を取り消す地点も併せてなくなるという意味だ。行政の側の事情も似ている。審査支援エージェントが出した結論を後から誰がどのような手続きで検証するのかは、政府の指針に盛り込まれなかった。AI基本法を改正すべきだという議論はこうした空白から始まった。
制度整備を急がせる要因は導入日程そのものだ。科学技術情報通信部は年内に五つの業務にエージェントを導入するとし、カード会社の実取引はその間に成立した。規則が整えられる間も実行は続くという意味だ。
技術が人の一日を変える地点は華やかな側ではない。許可書類を出して数週間待っていた時間が短くなり、買い物をしながら価格を比べていた30分がなくなるという形で静かに訪れる。その時間を返してもらう代わりに私たちが差し出すのは、確認手続きの一つひとつだ。何を任せ何を手元に置くのか、その線を引く作業が年内に始まらなければならない理由だ。
