
企業が業務に投入するAIエージェントの数が急激に増えている。ある企業のAIエージェント規模が15万人(個)の水準として示され、デルは企業がエージェントを数千個単位で使う時代が来たとして、働き方そのものを変えなければならないと明らかにした。同じ時期に権限を保有したまま放置された「ゾンビエージェント」がセキュリティリスクとして提起され、ソマンサは「シャドーAIエージェント」を統制し資産として管理するAIDRソリューションを打ち出した。導入ラッシュと統制の不在が一度に表れた。
AIエージェントは人が指示するたびに答えるチャットボットと違い、目標を受け取ると自ら手順を分けて実行まで終える소프트웨어だ。実行をするには権限が必要だ。社内システムに接続し、文書を読み、決裁の流れに入り込むアカウントがなければならない。人の社員を一人採用するときに発給するアカウントを、今は数千個単位で刷り出している。
導入は企業運営の中心部まで入り込んでいる。SK AXはSAPと協力し、ERPを含む企業運営全般に適用する企業向けAIエージェントサービスを進めているものとみられる。協力の対象はSAPのAIエージェント自律運営環境「SAPオートノマススイート」で、目標は反復業務の自動化と意思決定・業務処理時間の短縮だ。
ERPは財務・購買・人事・在庫を一つのシステムで扱う企業の基幹系ソフトウェアだ。エージェントがここに手をつければ、それだけ大きな権限を握ることになる。
規模が増えた痕跡はネットワークでもつかめる。AIエージェントによるインターネットトラフィックが1700%増加したという数値が示された。人がブラウザーを開いて作る要求はこの数値に含まれない。
ソフトウェアが人なしで自ら作り出す要求がそれだけ膨らんだという意味だ。この増加率の比較基準となる期間は公開されていない。

問題は回収だ。人の社員は退職すれば人事チームがアカウントを凍結し社員証を返却させる。AIエージェントに退職はない。
ある部署が試しに作り、プロジェクトが終わった後に忘れてしまったエージェントも、発給された権限はそのまま生きている。こうしたエージェントをめぐって「ゾンビエージェント」という表現が出た。
ここに「シャドーAIエージェント」という層がもう一つある。会社が把握できないまま現場で作って使うエージェントを指す言葉で、ソマンサが打ち出したAIDRソリューションが狙う対象でもある。統制と資産管理を一緒につけた点が目を引く。何が何個動いているのかを一覧にする作業が統制の第一段階だとみたのだ。
組織の形も後を追って動いている。シリコンバレーの企業が人とAIエージェントが一緒に働く「AIエージェント共存型組織」に転換しているという話が出た。ところが共存を語るには、人事管理の半分である「送り出し」も設計されていなければならない。今整っているのは採用にあたる半分だけだ。
数値は整理されていない状態だ。デルの「数千個」と「15万人(個)」は集計対象と基準時点が違い、同じ指標としてまとめにくい。それでも増えるという点は共通する。管理対象が人の数を超える区間にとっくに入っている。
結局この変化は、どの部署の仕事なのかというところから決め直す。これまでアカウントの発給と回収はITと人事が分けて担ってきたが、自ら動くアカウントが数千個に増えれば二つの部署のどちらにもぴったり当てはまらない。エージェントを導入する組織が次に確認すべきものは性能ではない。名簿だ。何個がどんな権限でどこに接続しているのか、そしてそのうち何個を今日切ることができるのか。
