
2026年9月3日の国内修理造船(MRO)産業育成討論会で、国内建造の大型船の90%が海外で修理されているとの数値が示された。この数値を算出した機関も、集計基準も、対象期間も併せて示されなかった。MASGA(韓米造船協力プロジェクト)に合わせた1兆5000億ウォン規模のMRO拠点整備の推進も同じ討論会で言及されたが、財源を政府が出すのか民間が出すのか、執行期限がいつなのかは示されなかった。
MROは船舶の維持と補修、修理を含めて船舶のライフサイクル全般を支える産業と定義される。新造が船を一度売る事業だとすれば、MROはその船が運航する20年以上の期間を通じて繰り返し生まれる売上だ。国内造船業は新造受注で好調を示す一方で修理部門の競争力は確保できていないとの指摘が討論会で出た。
この格差がなぜ今問題なのか。
国際海事機関(IMO)が海洋環境規制と脱炭素規制を強化するにつれ、運航中の船舶に手を加える必要のある作業が増える。重油専用船を二元燃料仕様に変える改造、バラスト水処理装置(BWTS)の搭載といった作業が代表的だ。新しい船を造る代わりに海に浮かんでいる船を改修して使う需要だ。改造規模を推計した数値や世界の修理造船市場で韓国が占める割合は今回の討論会で示されなかった。
専門家らは海洋脱炭素化とMASGA、北極航路の開拓を国内MRO産業拡大の機会要因に挙げた。北極航路が開かれれば運航ルートが変わり、ルートが変われば船が立ち寄る整備拠点も変わる。韓国がそのルート上で受け入れ能力を備えているかどうかが課題として残る。
修理造船を古い業種とみる見方にも討論会で反論が出た。燃料転換とエネルギー効率の改善、AI・デジタル技術を活用した予知保全が導入されるなかで、技術集約型の産業に変わりつつあるとの説明が示された。船が故障した後に修理する方式から故障を予測して事前に手を入れる方式へ移っていく流れを指す。この場合はドックとともにデータと人材も備える必要がある。
1兆5000億ウォンという金額を実現するには越えるべき関門がいくつもある。立地選定と着工時期が決まる必要があり、大型船を受け入れられる規模のドックを確保しなければならない。改造の需要は規制の発効時期に集中する性質があり、設備が整う時期と需要が生じる時期がずれれば案件は再び国外へ流れる。
9月3日の討論会は問題を提起した段階で止まった。90%という比率がどのような基準で算出されたのか、1兆5000億ウォンを誰がいつ執行するのかが追加資料で示されてはじめて議論は次の段階に進む。それまでこの問題は取り組むという言葉だけがあり日程表はない状態だ。
