
KB国民銀行の昨年の情報保護予算の内訳を一行にまとめると「676億のうち392億を執行」となる。正確には676億1300万ウォンのうち392億9700万ウォンを使い、執行率は58.1%にとどまった。同じ銀行では、AIエージェントを使ったハッキングで情報が流出した事故も確認された。システム障害の多い上位の金融機関20社に範囲を広げても、昨年の情報保護予算の執行率は70%を下回り、割り当てられた資金のうち30%を超える分が使われないまま年を越した。
攻撃の道具は変わった。AIエージェントは、人が目標を決めるだけで検索やファイルの閲覧、システムへの接続といった複数の段階を単独で処理するAIプログラムだ。業務の負担を減らすために導入した道具が侵入者の手に渡れば、複数のシステムに一度にアクセスする通路となり、国民銀行の事故はそうしたことが市中銀行でも起こり得ることを示した。
被害を受けたところはほかにもある。新韓銀行・ハナ銀行・BNK釜山銀行、そして第2金融圏のイェガラム貯蓄銀行とウェルカム貯蓄銀行、現代キャピタルでも、AIエージェントを使ったハッキングの被害が確認された。各社の被害規模と発生時期は明らかになっていない。
予算を残したのは国民銀行だけではない。ハンファ生命保険の昨年の執行率も58.1%で、水協銀行は60.7%だった。3社とも情報保護予算10ウォンのうち4ウォン前後を残した。情報保護予算とは、ファイアウォールや侵入検知装置、外部のセキュリティ点検、セキュリティ人員の人件費など、ハッキングを防ぐのにかかる費用をまとめて指す言葉で、使わなかった分だけその年の防衛線は薄くならざるを得ない。
人も足りない。カード会社は相次ぐハッキングに対応してセキュリティ人員を増やしているが、使える人材が見つからず苦労していると訴えている。

金融業界のAIエージェントが隠された命令に操られ、データを外部に送ったり取引権限を悪用されたりする恐れがあるとの警告も出た。隠された命令とは、文書やウェブページの中に人の目に付かないよう仕込んだ指示文を指す。エージェントがこれを正常な業務指示として受け取れば、顧客情報を外部に送ることまでしてしまう可能性がある。
防ぐ側も同じ技術を使う。アテックスは、複数の外部AIを呼び出してセキュリティテストを行うAIエージェントを開発した。システムのあちこちを突いて弱い箇所を探す作業を機械が担えば、点検の範囲は広がる。
それでも、見つけた弱点を直す作業は人が担わなければならない。セキュリティ担当者を確保できなかった会社では、エージェントが作成した点検報告書が使われないまま残る可能性がある。
システム障害上位20社の執行率は70%を超えなかった。攻撃者はエージェント一つで複数の金融機関を一度に狙うが、金融機関のセキュリティ支出は1年単位の事業計画に縛られて動く。使われなかった予算が年を重ねれば、翌年の計画もその分小さく組まれる。
携帯電話で融資書類を提出し、振込ボタンを押す数分間が安全であるためには、その裏で動くエージェントを守る人と装備が適時に整っていなければならない。国民銀行が昨年使わずに残した情報保護予算は283億ウォンを超える。その資金がセキュリティ人員と防御装備に変わってこそ、銀行アプリの中のAIアシスタントに安心して自分のお金を任せられる。
