
毎年1千万ヘクタール、サッカー場1,400万個分の面積の森が地球上から消えている。この破壊の速度は地球の自浄能力を限界まで追い詰めている。森が消えた場所に進出する開発と産業活動は再び気候変動を加速させ、これはより大きく、より長く、より頻繁な山火事を引き起こす致命的な悪循環を完成させる。
最新の気候データを基にAIが実現した「2026年全世界山火事シミュレーション」は、科学界が警告してきた黙示録的未来を鮮明に視覚化する。1月にオーストラリアで始まり、アジア、北米、アマゾンを経て再び12月にオーストラリアに戻るこの仮想の「火炎カレンダー」は、もはや「山火事シーズン」という言葉が無意味になったことを宣言する。私たちは今や一年中燃える地球、いわゆる「パイロシーン(Pyrocene・火炎の時代)」に突入した。
第1部: 超大型山火事の常態化、崩れる安全地帯
シミュレーションの中の7月、アメリカ・サンフランシスコの空はオレンジ色の煙霧に包まれ、カナダ西部の山火事は60日以上続く。これは誇張されたシナリオではない。すでに現実はこれよりも厳しい。
2023年、カナダは歴史上最悪の山火事で韓国の面積(約10万㎢)をはるかに超える18万5千㎢を焼き尽くした。春に始まった火は秋まで続き、ここで発生した煙は国境を越えてアメリカ・ニューヨークの大気質を世界最悪の水準に落とした。過去数十年に一度発生していた「メガファイア(Mega-fire・超大型山火事)」は、今や毎年発生する年中行事となった。
南半球の状況も異ならない。2019年末から2020年初頭にかけて続いたオーストラリアの「ブラックサマー(Black Summer)」山火事は約30億匹の野生動物に影響を与えた。シミュレーションが1月と12月、オーストラリア・ニューサウスウェールズを注目する理由は、ここが気候変動による高温と極端な干ばつに最も脆弱な地域の一つだからである。
このような超大型山火事は単に生態系を破壊するだけでなく、社会経済システムを脅かす。アメリカ・カリフォルニアでは天文学的な山火事被害額により主要保険会社が住宅火災保険の販売を中止または撤退する「保険エクソダス」が現実化している。災害は最初に社会の弱い部分を断ち切っている。

第2部: 燃える熱帯雨林と構造的原因
山火事の原因は地域ごとに複合的である。8~9月のシミュレーションの背景となるアマゾンの場合、気候変動の影響もあるが、人間の欲望がより直接的な原因として指摘される。牛の放牧地や農耕地確保のための違法放火と伐採が山火事の主要な原因である。「地球の肺」がその機能を失い、アマゾンは巨大な炭素吸収源から炭素排出源に転落する危機に瀕している。専門家はアマゾンが「ティッピングポイント(Tipping Point・急激な変化点)」を超え、自ら回復不可能な乾燥したサバンナ(草原)地帯に変わる可能性があると警告している。
インドネシアと東南アジアの状況も深刻である。パーム油農場開墾のために「ピートランド(Peatland)」に火をつける慣行は災害的な結果をもたらす。ピートランドは数千年にわたって植物の残骸が積み重なって形成された天然の炭素貯蔵庫で、一度火がつくと数ヶ月間消えず、通常の山火事より数十倍多くの温室効果ガスと微細粉塵を排出する。これは毎年東南アジアを覆う「ヘイズ(Haze・煙霧)」の主犯である。
第3部: 新たな脅威、北極の悲鳴とアジアの春
気候変動は予想外の地域まで山火事の前線を拡大している。シベリアやアラスカなど北極圏の山火事の増加は最も懸念される現象の一つである。永久凍土が溶けることでメタンガスが放出され、これは再び気温上昇を促し、より多くの山火事を引き起こす。特に冬の雪の下で火種が生き残り、翌年の春に再び発火する「ゾンビ山火事(Zombie Fire)」は北極生態系の根本的な変化を示す象徴的現象である。
シミュレーションの中の4月と5月、韓国・江原道東海岸と中国北東部、日本・北海道も危険に直面する。特に韓国は春の乾燥した大気と強い風(ヤンガンジ風)が結合し、山火事が急速に都市を脅かす「大型化・都市化」傾向を示しており、特別な備えが必要である。
伝統的な山火事危険地域である地中海沿岸はさらに極端に向かっている。10月、ギリシャとスペインのオリーブ畑とブドウ畑を襲うシミュレーションの中の火炎は、記録的な猛暑と数十年ぶりの干ばつが結合した結果である。これらの災害は農業と観光など地中海諸国の基盤産業と食料安全保障を根底から揺るがしている。

第4部: 絶望を超えて回復へ、システム転換の道
AIが提示した2026年の暗い風景の前で、私たちは無力感を感じやすい。しかしこのシミュレーションは確定した未来ではなく、現在のシステムを変えない場合に直面する警告状である。災害の悪循環を断ち切るためには、問題の根本原因を直視し、システム全体を再設計するアプローチが必要である。
第一に、山火事を個人の不注意や不運の問題と見なす視点から脱却しなければならない。これは化石燃料に依存する産業構造と無分別な森林破壊が生んだ構造的失敗である。したがって最も急務な解決策は産業全般の急激な脱炭素化とエネルギー転換である。
第二に、山火事対応戦略のパラダイムを変えなければならない。火を無条件に抑制する「鎮火」中心のアプローチから脱却し、生態系が火と共存できるように「管理」する方向に進むべきである。数千年にわたって続いてきた先住民の伝統的な火管理方式(計画的な小規模焼き払いなど)から知恵を得て、火災に強い樹種で生態系を復元する努力が並行されなければならない。
第三に、災害に備える地域社会の回復力を強化しなければならない。森林と住宅地の境界面に対する都市計画を再整備し、災害発生時に脆弱な階層を保護できる社会安全網を綿密に構築しなければならない。
「2026年世界山火事カレンダー」は私たちに痛みを伴う質問を投げかける。このまま火炎の時代を受け入れるのか、それとも持続可能な回復の道を選ぶのか。生きているからこそ、私たちは持続しなければならない。その選択は今、私たちの手にかかっている。
